手元供養とは

手元供養とは遺骨や遺灰をお墓に入れるのではなく、自宅など身近に置いて供養をすることです。自宅供養ともよばれることもあります。

保管・管理の方法にはさまざまな種類があり、家庭の環境や故人との関係性・想い、予算などの条件に合わせて幅広く選択できます。

ここでは手元供養の方法やメリット・デメリット、種類について説明していきます。

【手元供養】お仏壇やお墓ではない、新しい供養のカタチ【手元供養】お仏壇やお墓ではない、新しい供養のカタチ

  • 亡くなった家族を身近に
  • 購入する時の注意点
  • 跡継ぎがいない方に
  • 後継者への負担が少ない方法
  • お墓が決まるまでお骨を保管
  • お墓の代わりに
  • リビングルームに合う手元供養
  • 自宅でお墓参り
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手元供養が選ばれる3つの理由

お墓までの距離を気にしなくて良い

手元供養を選ぶ理由のひとつとしては、お墓や納骨堂が遠方にあるためお参りが困難というものがあります。

自宅での供養は遠方に出向く手間もなく、距離や時間を気にすることなく、いつでもお参りが可能です。

いつも近くに感じていられる

大切な人が帰らぬ人になったことに対し、なかなか気持ちの整理をつけられない方も多いと思います。そんな方にとって、「近くで見守っていてほしい」「いつも身近に感じていたい」という想いをかなえてくれるのが手元供養です。

亡くなった方との強い絆をずっと大切にしていたい、という方に合った供養の仕方と言えるでしょう。

安価に供養することができる

手元供養は自宅で遺骨や遺灰の管理をするので、すぐに新しくお墓を建てることが難しい方でも選ぶことのできる供養の方法です。

場合によっては費用をかけずに供養をすることもできますし、残る家族に余計な負担をかけたくないという理由から選ばれることもあります。

手元供養の方法

手元供養の方法は大きく分けて2つのパターンがあります。どちらを選ぶかは人それぞれの供養に対する意識によって違うので、特にどちらが良い、どちらが正しいということはありません。

遺骨や遺灰をすべて自宅で保管

手元供養の方法のひとつ目は、遺骨や遺灰のすべてを自宅で保管・管理するパターンです。

遺骨や遺灰を手元に置いておくだけであれば特に手続きも必要ないので、場合によっては費用もほとんどかかりません。最近では、骨壺を納めることのできる仏壇もあります。

ただ、ゆくゆくは遺骨や遺灰の行き先を決めなければなりません。将来的にどこかに納めるのか、もしくはそれ以外の方法を選ぶのかを考える必要があります。

遺骨や遺灰の一部を自宅で保管

ふたつ目は遺骨や遺灰の一部だけを自宅で保管・管理するパターンで、ある意味「分骨」することになりますが、お墓に入れるわけではなく、自宅で保管することになるので、分骨証明書は必要ありません。

ただし、手元供養をしていた遺骨を将来お墓などに納める予定がある場合には、その際に分骨証明書が必要になります。

火葬後のお骨上げの際に分骨する場合は火葬場で、すでにお墓などに納骨してある場合は、そのお墓の管理者(管理事務所や住職)に依頼して発行してもらいます。

なお、分骨した残りのご遺骨は、お墓がある場合は従来通りお墓に納骨をするのが一般的ですが、お墓がない場合の方法もいくつか紹介します。

<合祀永代供養>

合同墓、合葬墓、共同墓などとも呼ばれる共同のお墓に納骨する方法です。

納められた遺骨は宗教や宗派に関係なく、お墓の管理者によって永代まで責任をもって供養されます。

<本山納骨>

仏教ではもともとの信仰的な習慣として、分骨した一部を大本山に納めることが一般的でしたが、最近ではすべての遺骨を納める方も増えています。

本来であれば信仰のある方が対象ですが、申し込みをすると信者ではなくても受け入れてもらえることもあるようです。

<自然に還す>

散骨や樹木葬がこの方法にあたります。

散骨は粉末状に砕いた遺骨を海や山などの自然に撒くことをいいます。ただし、自分の手で粉骨することに抵抗感のある方や、また散骨する場所によってトラブルも起きているため、専門の業者に依頼することをおすすめします。

樹木葬は遺骨を土に埋め、墓石を置くかわりにその上にバラや桜など、シンボルとなる樹木を植える方法です。

歴史の浅い埋葬法ではありますが、自然に還るというイメージの良さや、継承者が必要ないことなどの理由から近年人気が高まっています。

新しい供養のかたち

無宗教の方、仏壇を置くスペースがない方、立派な仏壇は必要ないけれども故人を供養する場となる存在を必要と考える方は多くいます。そのため、現在では、これまでの仏壇の概念を覆すような新しい供養のかたちが登場しています。

故人の遺骨や遺品、また、それを加工したものを自宅に置いたり身に付けたりする「手元供養」の製品は、その代表的なものです。「手元供養」製品を仏壇と共に、または、仏壇の代わりとして購入する方も増えています。

「手元供養」は、宗教にこだわらず、形式にとらわれない、自由で広い使い方が特徴です。

遺灰を納めるおしゃれな容器(コアボトル)や遺骨を加工したオブジェ型のもの、ペンダント型のもの(カロートペンダント)、地蔵の形をしたものやプレート型、故人の衣服で作るぬいぐるみなど、さまざまな製品が登場しています。

供養の仕方は人それぞれ、供養とは本来個人的な心の問題です。「手元供養」は、宗教にこだわらない人が、その人らしい供養のできるものとして、近年静かなブームとなっています。

手元供養のメリット

常に故人を身近に感じられる

手元供養を選ぶ方の中には、故人を暗いお墓の中に入れるのがかわいそうだという方もいます。

故人への想いが強い方、故人との関係性を大切にする方にとって、遺骨や遺灰を身近で管理・保管できることはとても嬉しいことです。

特にアクセサリーにする方法だと、身に着けることで故人をより身近に感じられ、供養の気持ちとともにどこへでも一緒に出かけることができます。

遠方へ出向かずに身近で供養できる

亡くなった方を供養する際、遺骨が納めてあるお墓や納骨堂まで足を運び、手を合わせることが一般的です。

しかし、墓地や納骨堂が遠方にありなかなかお参りに行くことができない、引っ越しなどで遠くなってしまったという方も多いと思います。

手元供養は自宅で供養することができるため、距離や時間、体調などの問題も気にせずにすみます。

費用を抑えることができる

新しくお墓を建てようと思うと、永代使用料や墓石の据付工事の費用など、最低でも100万円以上かかることが少なくありません。手元供養の場合は「必須」な費用はないので比較的安く抑えられ、予算や経済状況に応じた供養が可能になります。

管理費などの維持費もかからないので、残された家族へ負担をかけたくないという方でも安心です。

ただし、すべての遺骨を手元供養にするというよりは、お墓と併用したり、また遺骨の大部分は合祀や散骨などをして、一部のみを手元に置いておくケースが多いようです。この場合、お墓や合祀等の費用は発生します。

手元供養のデメリット

一方で、手元供養品にもデメリットはあります。

中でも、故人の遺骨に対する思いは個人的なもので、承継できないということが挙げられます。

例えば、手元供養をしていた方が亡くなった場合、手元供養されていたその遺骨はどうなるでしょうか。手元供養をしていた本人にとっては思い入れの深いものであったとしても、残された人にとっては捨てるにすてられない、厄介な荷物になる可能性もあります。

こうしたことも考慮して、手元供養をしていた方が亡くなった場合には、一緒に火葬もできる手元供養品も登場しています。しかし、手元供養をする際には、事前に、その遺骨が将来どうなるかということを、きちんと考えることをおすすめします。

また宗教者によっては、手元供養を否定的に考える方もいるようです。

手元供養品の種類

手元供養品の種類はさまざまで、一見それとわからないようなおしゃれなものもたくさんあります。

そのため選択肢にも幅があり、当然どんなかたちを選ぶかで費用もかわってきます。

コアボトルタイプ

地蔵型

    カロートペンダント

ミニ骨壺

遺骨や遺灰の一部を中に納めて保管するための小さな骨壺です。

デザインは和風のものから洋風のものまで、素材は陶器や金属性、ガラス製など種類が豊富で、家のつくりや部屋の雰囲気に合わせて選ぶことができます。

大きさは手のひらサイズのものが一般的ですが、携帯用の骨壺などもあります。

最近ではデザイナーが作るミニ骨壺などもあり、話題を呼んでいます。

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ペンダント

アクセサリー型の手元供養品として人気があるのがペンダントタイプです。

中に小さな空洞があり、そこに遺骨や遺灰を入れられる形のものと、遺骨や遺灰をダイヤモンドなどの人工の宝石や、樹脂などに加工するもの2種類があります。

どちらにしても身に着けて持ち歩くことができるので、故人をより身近に感じられる方法のひとつです。

ブレスレット

ペンダント同様、中の空洞に遺骨や遺灰を納められるものや、遺骨や遺灰を直接加工してつくられるものがあります。

ベルト部分がチェーンのタイプや革のタイプ、遺骨や遺灰を数珠に加工する念珠タイプのものもあり、男性の方でも比較的身に着けやすいデザインもあります。

特に数珠は色も豊富なので、好みの色でつくることが可能になります。

ブローチ

普段は家の中に飾っておいて、特別なときに一緒に外出したい、という想いをかなえてくれるのがブローチ型です。

身に着けないときに入れておくための専用ケースを用意してくれるお店もあるようで、名前などを刻印したプレートを取り付けられる場合もあります。

直接肌に触れることがないので、金属アレルギーがありアクセサリータイプは難しいという方でも、身に着けやすいかたちです。

ステージ

ステージは手元供養のための飾り台、ミニ仏壇のことで、ご家庭にお仏壇はないけれど、遺骨や遺灰をお仏壇のようにお祀りしたいという方にぴったりです。

こちらも素材やデザイン、大きさの種類が豊富で、立体的なものからお盆のようなものまでさまざまあり、お部屋の雰囲気やスペースに合わせて選ぶことが可能です。

供養品と一緒に故人の写真や仏具を置きたい場合にも、飾り台があることでより華やかにお祀りすることができます。

オブジェ

オブジェはミニ骨壺のように中に遺骨や遺灰を保管できるタイプのものと、遺灰や遺骨を加工して形をつくるタイプのものがあります。

納骨タイプには、故人の姿をブロンズ像で再現した形や、仏像やお地蔵さまの形、フォトスタンドの形などがあり、それぞれ文字を刻印することができる場合もあります。

遺骨や遺灰を加工するタイプには、ガラス加工の水晶玉や人造石、またはセラミック加工で陶器のプレートや花瓶をつくるといった方法があります。

このほか、最近ではクリスタルなどでできた、手のひらに乗せて拝める位牌なども登場しています。遺骨を入れることはありませんが、親族でいくつも作ることができます。これもある意味、手元供養といえます。

手元供養にかかる費用

先にも説明したように、手元供養そのものに必ず必要な費用は基本的にないので、どういった方法で供養するかによって費用は大きくかわります。

かかる費用の内訳には

  • 手元供養用に遺骨を粉骨する場合の費用
  • 遺骨を手元供養品に加工するための費用
  • 手元供養品を購入するための費用
  • 分骨するための費用

などがあげられます。ここからそれぞれの相場について説明します。

遺骨を粉骨する場合

実は遺骨の粉骨は法律的にだれが行っても問題はありません。そのため自身で粉骨を行った場合、費用はかかりません。

しかし自身で粉骨するのは抵抗がある方は、専門の業者などに依頼することも可能です。

すでにお墓の中に納骨されていた遺骨を粉骨する場合と、新仏の遺骨を粉骨する場合など、遺骨の状態によって。また手で粉骨する場合と機械で粉骨する場合など、粉骨方法によっても料金は変わってきます。一般的に3万円前後が相場とされています。

遺骨を加工する費用

どんなものに加工するか、素材を何にするかで大きく幅があります。

アクセサリー加工の場合シルバー素材だと安価なもので数百円から、プラチナ素材だと高価なもので60万円とかなり差があるので、予算に合わせて検討するとよいでしょう。

またダイヤモンドに加工する場合は、希望の大きさやカッティングにより異なりますが、だいたい30万円前後からが相場のようです。

手元供養品を購入する費用

手元供養品としてミニ骨壺も、数千円~数万円と幅があります。デザインに凝ったものや伝統工芸品のようなものだと、30万円前後のものもあります。

ミニ骨壺は密閉状態のしっかりしたものを選ぶことが重要なので、選ぶ際にはデザインや値段だけではなく、そちらも考慮してみてください。

分骨の費用

分骨する場合は分骨証明書の発行にも費用がかかります。

すでに納骨されている遺骨を分骨する場合はさらに、遺骨を取り出す費用と閉眼・開眼供養のお布施代などがそれぞれ数万円ほどかかります。

手元供養品はどこで購入できるのか

通信販売や仏壇仏具店で購入できます。

最近は手元供養の専門店も増えてきているので、手元供養を考えているという方は一度お近くのお店で相談してみてはいかがでしょうか。

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まとめ

近年ではお墓離れが進んできており、家に仏壇を置かないという家庭も増えてきました。

手元供養は家族の形や住まいのデザインなどの変化に伴い、従来の形式にとらわれない新しい供養の方法として、ここ10年程前から選ばれるようになってきています。

中には手元供養をよく思わない方もいますが、故人の遺志や残された家族の想いなどを踏まえ、納得された上で、より良い供養を選択していただけたらと思います。