【10月の仏事】知っておきたい仏事の知識「十夜法要」

十夜法要

十夜法要とは、毎年秋に行われる伝統的な仏教の法会のことで、阿弥陀如来に感謝の念仏を唱える、主に浄土宗の仏事のひとつです。これは仏教の経典に書かれている「現世で十日十夜善いことをすれば、それは仏国土で千年善いことをしたことに勝る」という教えに基づいています。特徴として、十夜法要は日本で始まった独自のものであることが挙げられます。

この記事では、日本で十夜法要が始まった由来や、参加するときのポイントなどを詳しくご紹介します。

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秋の行事、十夜法要の由来は?

十夜法要は仏教の中でも重要な行事のひとつであり、その起源は今から550年ほど前、足利義教公が生きていた室町時代にまでさかのぼります。

その頃、義教の執権をしていた伊勢守貞経という人物の弟にあたる平貞国が出家して、仏の道に進むことを決め、真如堂の中で念仏を一心に唱えていました。3日3夜続くその行が終わったら、髪の毛を剃り上げて坊主となり、出家しようとしていたのです。

その最後の晩が明けた朝、貞国の夢枕にお坊さんが立ちました。そして「もし阿弥陀さまを本気で信じているなら、出家をしてもしなくても、関係はないだろう。出家するのは待ちなさい」と言ったのです。貞国はそれを聞いて出家を思いとどまり、家に帰ることにしました。すると兄の貞経がお上の意向に従わなかったという罪に問われ、謹慎処分を受けていました。そこで貞国が家督を継ぐよう、説得をされたのです。

「もし自分が出家をしていたら、今頃は家督を継ぐ者もなく、お家は断絶していただろう」。そう思った貞国は阿弥陀さまに感謝し、その日から再び真如堂にこもって7日間の行を行いました。結果、合わせて10日10夜も念仏を唱えたことになり、これが十夜法要の起源となったのです。

十夜法要の意味や広まったわけ

それから60年ほどたったある日、鎌倉にある光明寺の観誉祐崇上人が、後土御門天皇に呼ばれ「阿弥陀経」の講義を行いました。それを機に光明寺は勅願寺となり、上人に対する天皇の尊信も篤くなりました。そして翌年から天皇の勅命により、真如堂の僧侶とともに光明寺で十夜法要が行われるようになり、全国の浄土宗のお寺にも広まったのです。

冒頭でご紹介したように、浄土宗で大事にされている「無量寿経(むりょうじゅきょう)」という経典の中には、「現世での十日十夜の善行は仏国土での千年の善行に勝る」という記述があります。そうした教えが貞国の故事とも相まって、全国に受け入れられていったのでしょう。

十夜法要の正しい名前

十夜法要は、正確には「十日十夜別時念仏会」と言い、「お十夜」「お十夜会」「十夜講」「十夜念仏」と呼ばれることもあります。これらの呼び方が違っても、行われる法要の中身は基本的には変わりません。

なお、「お十夜」などの短縮された読み方は、俳句の季語にもなっています。これは法要を行う時期が、全国的に秋であるため、そのまま秋の句を詠むときに使われる言葉になったのです。詳しい時期については、次の章でお伝えしましょう。

法要はいつ行う?

法要は、旧暦の10月5日の夜に始まり、明けて15日の朝まで、10日10夜に渡って行われていました。これを今の暦に直すと、11月5日の夜から15日の朝までとなります。ただし時代が下るにつれ、その日数は減っていく傾向となり、今では「3日3夜」や「1日1夜」などで行わることが多くなっていきました。その場合、最終日の朝が15日になるようにして日程が組まれることが多く、地域によっては10月や12月に行うお寺もあるようです。

とくに明確に決められたものはないということです。

お布施やお供え、服装など

法要はちょうど秋の収穫の時期にもあたるため、神社でのお祭りと同じように、自然に感謝を捧げるという意味も取り入れられていました。そのため、比較的にぎやかに行われることが多く、とくに関東では太鼓を鳴らすなど、収穫祭としての彩りもあるものでした。

例えば米農家の場合、その年の新米をお供えとして持ち寄ることが習わしとなっています。

一般の家庭の場合は、お供えの代わりにお布施をするとよいでしょう。お布施の金額は地域によって異なりますが、3,000円~5,000円程度です。お塔婆を出す場合は、一基4,000円~5,000円程度が相場と言えます。

服装も、他の参加者に合わせるのが無難ですが、法事や法要にあたるので、本来は正礼装が望ましいでしょう。

まとめ

今回は、全国的にも有名な秋の仏教行事である十夜法要について、ご紹介しました。十夜法要は念仏の尊さを知り、感謝の気持ちとともに善行に勤しむ法会です。

しかし有名とは言え、その存在を知らなかったり、詳しい意味を知らなかったりする方も多いのではないでしょうか。浄土宗の仏事についてさらに詳しく知りたい方、また、宗派を問わず仏教に関する疑問・質問がありましたら、当社までお気軽にお問い合わせください。

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