浄土真宗は、「阿弥陀仏の本願を信じ念仏を唱えることで、阿弥陀如来によって極楽浄土に迎えられ、救われ、仏になる」という考えを基本とし、親鸞聖人によって開かれた仏教の宗派の一つです。
仏壇は宗派によってその飾り方や呼び方、意味合いが大きく変わります。
今回は浄土真宗の仏壇の選び方から、祀り方、参り方などをご紹介していきます。
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- 購入する時の注意点とは
- 価格・サイズ・設置例を詳しく
- 我が家にぴったりのお仏壇とは
- お仏具の役割やお飾りの仕方
- ご安置のポイント
- お仏壇Q&A
- お仏壇選びステップガイド
- リビングルームにあうカタログ
浄土真宗といえば「金仏壇」というイメージをお持ちの方も多いかもしれません。実際、浄土真宗の方の多くは金仏壇を選ばれますし、仏壇仏具店などで「浄土真宗です…」と相談すると金仏壇を勧められることも多いようです。
しかし、実は仏壇選びに関して、「浄土真宗だからこれを選ばなければいけない」というような決まりは特にありません。
近年では戸建てからマンションなど、居住環境の変化や少子高齢化などで仏間のない家も増えてきたため、浄土真宗の方でもモダン仏壇など部屋のインテリアに合った仏壇を選ばれる方が増えてきました。
仏壇にはさまざまな素材やサイズがあるので、好みと予算に合わせてご自宅に合った仏壇を選びましょう。
ただ、浄土真宗のご住職によっては、「浄土真宗は金仏壇が良い」という考え方をお持ちの方もいるようですので、心配な方は事前にお寺に相談されると安心です。
仏壇の種類ごとの選び方
浄土真宗で祀ることができる主な仏壇についてご紹介します。
金仏壇
浄土真宗といえば、金仏壇を思い浮かべる方も多いでしょう。実際に、ひと昔前の浄土真宗の仏壇は金仏壇が多かったので、そのイメージが強いのだと思われます。
浄土真宗の仏壇が金色なのには理由があります。
浄土真宗では、仏壇で阿弥陀如来のいる極楽浄土を表現しています。
そのため、「阿弥陀様がいらっしゃる極楽はこんなに光り輝いているんですよ」と門徒(信徒)に伝えるため、金色に輝いていると言われています。
また、金は日本古来の考え方で最も格式高い色でもあります。金が表しているのは豪華さや華麗さではなく、格式高さ、荘厳さです。
金仏壇を選ぶ際の注意点
金仏壇を選ばれる浄土真宗の方は多くいますが、金仏壇を購入するときには一点注意することがあります。浄土真宗は、いくつもの派が分かれており、金仏壇にも浄土真宗本願寺派と、真宗大谷派など、その派によって少しだけ違いがあります。
例えば、仏壇の中の柱の色は、浄土真宗本願寺派がすべて金色なのに対し、大谷派は柱が黒いのが特徴です。
モダン仏壇
モダン仏壇は、その名の通りモダンな作りで幅広いインテリアに美しく馴染む現代的なデザインの仏壇です。
少し前の時代、仏壇は仏間や和室に祀られるものでしたが、近年の住宅事情では仏間や和室がない家庭が増えているため、仏壇の置き場所に悩む方が少なくありません。
一人暮らしの方や夫婦お二人の家族の場合、仏壇を置きたいけれどスペースがないという声もよくあります。
このような時勢で人気が高まっているのがシンプルなデザインで洋風のインテリアにも馴染み、さまざまなサイズから選ぶことができるモダン仏壇です。
唐木仏壇
仏壇のサイズ・デザイン
少し前までは、仏壇といえば大きなものが主流でしたが、現在は自宅のスペースや安置する場所に合わせてサイズを選ぶことができるようになっています。
本仏壇
昔ながらの仏壇で、床に直接置くタイプの仏壇です。高さは130から150cmほどと。子供の背丈ほどあり、幅も45cm~55cmほどのものが主流です。
上置き仏壇
上置き仏壇は、一般的にタンスや棚の上におくことができる小さめの仏壇です。
高さが54cmから60cmほど、幅は40cmから47cmほどのものが多いです。
ミニ仏壇
ミニ仏壇は近年需要が高くなっている仏壇で、その名の通り一般的な仏壇よりかなり小さな仏壇です。高さは20cmから40cmほど、横幅は17cmから40cmと非常にコンパクトになっています。
小型の棚やテーブルの上におくことができ、ワンルームやマンション暮らしの方にも最適なサイズです。
サイズが小さいため値段も手頃で安いものだと数万円代から購入できるものもあります。
引き出しでお供え物を飾るスペースが確保できる引き膳を供えたタイプや、線香やろうそくなどを使用するとき以外がしまっておける引き出しがついたものなどコンパクトながら機能性が高いのもミニ仏壇の人気の理由です。
浄土真宗の仏具の選び方
仏壇に必要なもの
本尊の祀り方
浄土真宗の本尊は「阿弥陀如来」ですので、仏像または掛け軸のどちらかを祀ります。
掛け軸を飾る場合には、阿弥陀如来の後光が8本さしているものを選びましょう。大谷派では後光は6本です。
脇侍は本願寺派であれば向かって右に親鸞聖人の御影をお掛けした場合は、左に蓮如上人の御影を安置します。
大谷派の場合は、向かって右は「歸命盡十方無碍光如来(十字名號)」をお掛けした場合は、左には「南無不可思議光如来(九字名號)」をお掛けしましょう。
最近では、本尊が描かれた「御絵像」を仏壇仏具店で入手する人が多いようですが、浄土真宗では本来、本尊はお寺にお願いして脇侍とともに本山からお受けするものです。
位牌の祀り方
浄土真宗では本来、位牌を祀ることはありません。
位牌を祀る習慣は仏教が起こった後に、中国の儒教の影響で生まれたものだと言われているからです。
浄土真宗の教えでは亡くなると仏様に導かれて極楽浄土へ向かうとされているため、ほかの宗派の「位牌に魂が宿り、それを供養する」という考え方とは異なります。
しかし、何かお参りする対象が欲しい、故人とつながるものが欲しいというのも人情です。
そのため、浄土真宗では過去帳や法名軸を使用しています。
ほかの宗派では位牌に記される戒名(浄土真宗では法名と呼びます)を過去帳に写して仏壇に安置することがすすめられています。
浄土真宗の仏壇の飾り方
仏壇の置き方
浄土真宗の本尊は阿弥陀如来であり、浄土は西方極楽浄土です。
そのため、かつては浄土真宗の仏壇は東側に置き、西方に向かってお参りするという門徒(信徒)が多くいたのだそうです。
しかし、本来の浄土真宗の教えでは、仏様は自由自在であり、いつでも、どこでも見守ってくださる存在なので仏壇の向きはどの向きでも構わないとされています。
向きや場所は指定の場所はありませんが、湿気が多かったり日当たりが悪かったりと仏壇が痛みやすくなるほか、お供えの花も枯れやすくなるため、適度に日が当たって家族の目の届く場所に置くのがいいでしょう。
仏具の伝統的な飾り方
仏具の伝統的な飾り方は、最上段に本尊、その下にお供え物、その下の段に、浄土真宗における位牌の代わりの過去帳と、私たちがお参りに使用する道具を飾って行きます。
並べ方の順序
最上段には中央に本尊である阿弥陀如来を、左右に脇侍を安置します。
本尊より一段低い位置に、湯茶噐と仏噐を配置し、その両脇に果物やお菓子をお供えする六角供花を配置します。
次の段には向かって左に花立、右に過去帳と見台をおきます。
最下段には、香炉、火立て、線香さし、りんなどを配置しましょう。
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浄土真宗の仏壇にお供えするものしないもの
お供えをしないもの
浄土真宗では、水をお供えしません。
これは、故人はすでに阿弥陀如来のお導きで、素晴らしい水が湧き出る浄土にいるという考え方に沿ったものです。
お供えするもの
お水をお供えしない以外には、ご飯、お餅、お菓子、果物などをほかの宗派と同じようにお供えします。
ろうそく、線香も同様にお供えしますが、ほかの宗派とはお参りの仕方が異なります。
浄土真宗の仏壇のお供えの仕方
浄土真宗では、水はお供えしないと前述しました。
これは、故人はすでに阿弥陀如来に導かれて水も食べ物も豊富にある極楽浄土にいるため、現世の水を飲む必要はないという考え方によるものです。
そのため、浄土真宗のお供えは、故人にではなく、お守りくださっている阿弥陀如来へ行います。
ご飯お仏飯
浄土真宗では本願寺派と大谷派で物販のお供えの仕方が変わります。
本願寺派の仏飯
浄土真宗本願寺派では、仏飯をよそうときに、ハスの花の蕾をイメージして盛りつけます。
仏飯器を盛る前に器を水で濡らすと後で片付けをするときに楽になります。
大谷派の仏飯
大谷派の仏飯のよそい方は、ハスの実をイメージした円柱形です。
この形に整えるのはしゃもじでは難しいので、「盛糟」という道具を使うのが一般的です。
ろうそく
浄土真宗で使う和ろうそくは主に白と赤の2種類で、場面によって使い分けられています。
基本的な日々のお参りや月命日、一周忌、三回忌くらいまでの年忌法要では白いろうそくをお供えします。赤いろうそくは七回忌からの年忌法要や、お彼岸お盆などでお供えすることが多いようです。
自宅で法要をする場合は、お寺の住職に相談すると安心です。
お香
浄土真宗では、線香もお供えします。
良い香りを仏様にお供えすることで感謝の気持ちを表現すると同時に仏の智慧としての香りが部屋に広がって私たちに届くと考えられています。
浄土真宗の仏壇のお参りの仕方
浄土真宗の仏壇のお参りの基本は、朝起きたら炊きたてのご飯をお供えし、礼拝の時には、ろうそくに点火して、香炉の大きさに合わせておった線香を火のついたほうが左側になるように寝かせてお供えします。
おりんについて(ならさない)
浄土真宗ではおりんを鳴らしません。
よく、「おりんを鳴らして仏様に気づいてもらう」と考える方がいるようですが、浄土真宗の考え方では、仏様は常に私たちを見守っていてくださり、おりんなどを鳴らさなくてもすでにこちらを見ているとされています。
浄土真宗では、おりんを鳴らすのは読経のときの始めと終わりの合図として用いられるので、日々のお参りでおりんは鳴らさないのが正しいのです。
仏壇の扉は閉めない
地域によっては、例えば葬儀があったときなど、四十九日まで仏壇の扉を閉めておくというところもあります。しかし、浄土真宗ではこのような場合でも、仏壇の扉は開けておく方がよいといわれています。
浄土真宗では亡くなると人は仏様になり、死は穢れではありません。また、仏壇は阿弥陀如来の慈悲に気付かせてくれる場であるため、忌中でも普段通り、開けておくそうです。
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