神棚の扉の開閉や祀り方について

神棚の扉とは、家庭や職場に飾られている神棚に設置されている宮形の扉のことです。扉が一枚のものを一社造り、扉が三枚のものを三社造りと呼びます。この扉の開閉については諸説ありますが、実際に神棚を飾る際はどちらが好ましいのでしょうか。ここでは神棚の扉の状態と飾り方について、その理由とともに解説します。また、宮形の扉の数に応じた神棚の祀り方についても紹介します。

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神棚の宮形の御扉は開けておく?閉じておく?

昔は神棚の扉をどのような状態で飾るべきか?というのは、地域やご家庭によって変わるため、どちらかが正しいと明言されることはありませんでした。神社や神社庁によっても見解は異なるようです。もともと神道は古くから日本の各地で伝わってきた信仰が基になっています。そのため地域性などもあります。

御扉についても開けたままにしておいても間違いではありません。ただし、神道の成り立ちを考えると原則は閉めておくべきという説もあります。

神棚の宮形の御扉を閉めておく理由

まず、神道は開祖がいるわけでもなく、キリスト教のように積極的な布教活動が行われたわけでもありません。日本人が生活する上で自然の脅威にさらされたり、神話として伝承されたりするうちに、ありとあらゆるものに神様が宿っているという民族宗教に発展しました。そして、神様を祀るために神社が建てられ、神様との結びつきを強めるためにお祭りが開催されるようになりました。

このように神道において神様は恐れ多く、お祭りの際などでしか交流を持てない尊い存在と位置付けられています。

そのため、神様が祀られている場所は軽々しくむやみに人目にさらすべきではないと考えられています。神社では重大な祭事が行われるとき以外は本尊の御扉は閉ざされたままになっていることからも、神棚の扉を閉めておいた方がよいとするのは自然な流れでしょう。

 

また、仏教が阿弥陀如来像やお釈迦様の仏像を積極的に人の目に触れさせて仏様の存在を主張するのに対して、神道では御神体を人の目に触れさせないことで、恐れ多い存在であることを表現しています。特に内陣に鎮座する御神体は、有力者であっても容易に目にすることができません。

他にも、御扉を開けっぱなしにしておくと中に埃やチリがたまり、御神札が変色する可能性もあります。宮形の神棚の御扉は閉めておくことで、中にある御神札を常に清浄に保つことができるという考えです。

神棚の宮形の御扉を開けるタイミングと方法

特別な事情がある場合や特別な日には神棚の扉を開けることがあります。

例えば神社で授かった御神札を神棚に納めるときや御神札を交換する際には、御扉を開けて御神札を直接手にします。他にも、正月の三が日や慶事の際、お参りするときに開けるなどの習慣がある地域も存在します。

また、毎月1日と15日は清掃のため神棚を開ける家庭も多いようです。なお、年末には神棚を掃除し、御神札を変えますが12月29日と31日は避けた方がよいといわれています。

神棚の宮形の御扉の数による祀り方

神棚は、目の高さよりも高い場所に南か東向きで設置します。また、神棚には扉の数に応じて一社と三社の宮形があり、扉が一枚のものを一社造り、扉が三枚あるものを三社造りと呼びます。御神札には、神宮大麻と呼ばれる伊勢神宮のお札、地域の氏神のお札、祟敬神社のお札があります。この中でも伊勢神宮の神宮大麻は八百万の神の中で一番尊い「天照大御神」が宿っている特別な御神札で、特別なものです。神宮大麻は全国の神社で授かることができます。氏神神社は地縁や血縁によりお参りしている神社のことです。祟敬神社は、個人的に信仰し、お参りしている神社を指します。

 

神道ではすべてのものに神様が宿っているという考え方を持つため、崇敬神社のお札を複数同時に信仰することは問題ありません。そのため、御神札が神宮大麻と合わせて複数枚になることがあります。

このようにお祀りすべきお札が複数枚ある場合は、一社造りの神棚では一番手前に神宮大麻のお札をお祀りします。その他の地域の氏神、祟敬神社のお札は後ろに重ねて祀るようにします。お札が大きすぎて入りきらない場合は、宮形の横に並べてお祀りします。

三社造りの神棚の場合は一社造りのものとは異なり、中央に神宮大麻、向かって右手に氏神、左に祟敬神社のお札をお祀りします。

まとめ

神棚の御扉は開けたままにしておいても間違いではありませんが、神様が宿るお札を人目に触れさせない方がいいと考えられているため神棚の扉は閉めておくべきでしょう。また、年末は12月29日と31日を避けて神棚の掃除とお札の交換をします。神棚の購入を検討されている方や、御神札の祀り方について相談したい方は、お気軽にお問い合わせください。